21世紀を生き抜く企業は、その社会的責任CSR(Corporate Social Responsibility)を重視し、自然環境を守るための様々な取り組みを行っています。それらは企業イメージの向上やボランティアだけを志向したものではなく、事業継続を踏まえた本業と一体化した取り組みです。環境会計、CDPウォーターなどによる投資機関向け格付け情報などの社会的動向も後押ししています。
人間が地球の提供できる以上の自然資本とサービスを求め続けてきた時代がいま変わり始めています。
しかし、全体像がなかなか見えない自然を相手に、取り組んでいることの意義や効果がわかりにくいことも少なくありません。その結果、何をどれだけ行うべきかさえもはっきりしない場面に直面してしまいます。 言うまでもなく、監視そのものはゴールではなく、その先の対策に結び付け、人と自然資本のより良い関わりを見出すための途中プロセスに他なりません。取り組みに対する効果を如何に可視化するかを重視し、次の対策へ繋げることができる質の高い監視が1つの重要なキーとなるのではないでしょうか。
本業と一体化したCSRには、数値化された目標の設定と効果的なマネジメントが必要です。
C&I(Criteria & Indicator)は、事業成果ともなる数値化された目標と現状とのギャップを監視することができるツールです。世界的には様々なC&Iが提案され使われてきていますが、どのような指標(Indicator)を監視して、どのレベルに基準(Criteria)を置くか、また、幾つかの組み合わせを使うかなどは、対象とする事業によっても異なるため慎重に選定することが求められます。適切なC&Iの選定には、事業のステークホルダーを丁寧に洗い出すステークホルダ解析が不可欠です。ステークホルダは事業によっても異なり、関心のあるC&Iも異なることが考えられます。
また、C&Iの監視対象となる時間・空間スケールをしっかりと意識して明らかにすることは、C&Iの誤った使用を防ぎ、事業を効率的かつ効果的に推進していく上でも重要です。
最終的に、C&Iを絶えず監視しながら、そのより良い変化を引き出すための行動につなげるフレームワークを、PDCAサイクルに取り入れ反復的にマネジメントとすることが求められていると考えます。
事業を取り巻くステークホルダ、監視すべき時間と空間のスケールを明確に認識し、C&Iを選定してPDCAサイクルを繰り返す。また、その効果をできるだけ分かりやすく可視化し、人と自然とのより良い関わりを見出す。そんな仕事を無駄なく正確に進めて行くにはどのようなツールが必要でしょうか。
膨大な情報をスケーラブルなデータベースに蓄え、データ分析や数値シミュレータ等の様々な診断ツールとの連携が組み込まれたソフトウェアプラットフォーム上で、誰もがデータに容易にアクセスし、必要な分析を行ったり、事業の状況を分かり易さを追求したダッシュボードで触れることができれば、これまでは困難であった新たな知識の獲得が期待されます。
ブルーアースセキュリティは、事業に関与する様々なステークホルダーが自然資本セキュリティのマネジメントに参画することができる統合監視プラットフォームの開発に取り組んでいます。